Manager & Buyer Interview

左から: 皆川さん / 内藤さん / 相澤さん / 伊丹さん / 須藤さん

新潟県新潟市を拠点に11店舗のアパレルショップを運営するアパレル企業「株式会社タシケント」。1977年創業、今年で44周年を迎えます。その歴史は高度経済成長期〜インターネットが台頭する現代まで、激動する時代の中で様々なファッションニーズを確実に捉え、最先端のスタイルと豊かな価値観をお客様へ提供し続けてきました。その株式会社タシケントで現在中核を担うバイヤー・マネージャー職の5名の皆さんに様々な質問をし、現場の本音に迫ってみました。(聞き手:桑原隆行/creaBox)

—– タシケントでどんなキャリアを経てマネージャー・バイヤーになりましたか?

相澤さん:
高校卒業後「アルバイト」でタシケントに入社しました。数年勤務したのち結婚を期に一度退職しましたが、再度タシケントに店長職として復職しました。現在は今までのキャリアを汲んで頂きマネージャー職として職務にあたっています。

内藤さん:
服飾の専門学校を卒業後、タシケントに新卒で入社しました。その後配属になった店舗の業態変更(直営店に切り替え)などが有り、その辺りのタイミングで先輩方と一緒に展示会に同行させて頂けるようになりました(この時はまだバイヤー職ではありません)。私が入社した当時は順を追って業務レベルがステップアップしていくという形ではなく、全ての業務が同時に進行しているような時代でしたので、必然的に展示会〜商談〜仕入れ〜販売までの現場を知ることが出来ました。その後様々なキャリアを積み正式な形でバイヤー職を任せて頂き、新店舗オープンの際はショップのプロデュースも手掛けるようになりました。現在は商品部統括として全店のバイイング業務を統括しています。

皆川さん:
すこし変わった経歴なのですが建設業からの転職でタシケントに入社しました。社会経験が有ったという事も有り入社半年で店長職に就かせて頂きました。タシケント内で多くの店舗の異動を経験し、現在も店長として日々の職務に就いてます。

—– 専門資格は必要ですか?また取得は可能ですか??

内藤さん:
必要ないと思います。ただお客様との接客を通して関係性を築く上で、資格(知識)が有った方が安心して質問に答えられると考えている方は取得した方が良いと思います。その事に対して会社は理解を示してくれますし、全力で資格取得に取り組む事も出来ます。アパレル業は資格商売では無いので、そこを気負う必要は全く有りません。

相澤さん:
高校が商業科だったので販売士の資格・簿記の資格は持っていますが、それらの資格が実際の販売現場で必要だった事は有りません。しかしこれからは全ての業務にコンピュータを使用します。アパレルの資格というよりはコンピュータに関わる資格(知識)は現場での大きな戦力になると思いますので、その点ではこれから新卒採用の方は有利なのでは無いでしょうか?

伊丹さん:
服飾の専門学校でしたので色彩能力検定などの資格は持っています。ですがアパレル業においてそれらが必須であるという事は全くありません。ただお客様との接客の中で興味のある話題などを引き出す上で専門的な知識が有って良かったな、と思う事はあります。一番大事なのはお客様との会話を引き立てるコミュニケーション能力だと思います。

—– マネージャー・バイヤーになるには、学歴は影響しますか?

(….全員一致….)
アパレル業は特に学歴は問いません。むしろ資格・学歴・年齢が影響しにくい珍しい業種だと思います。未経験の方でも安心して挑戦する事が出来ます。

—– ネット社会と言われる時代ですが、アパレル業はどのように変化しましたか?

内藤さん:
何年か前からWEBで商品を販売する事が主流になり、今ではインスタグラムなどの各種SNSで商品を紹介出来る時代です。”実店舗”を運営しなくてもネット販売で売上を立てる事も可能なので、お店が何の売り方を選ぶべきか?を見極めて、しっかりした経営指針が有るのであれば、これまでと違ったアパレル業が育って行くと思います。情報発信が当たり前の時代ですので。運営スタッフが限られていても、商品の紹介からお客様に届くまでの時間が大幅に短縮されているのもポイントですね。

—– 経費計算や利益計算の知識は必要ですか?

皆川さん:
今までは店長という枠の中でお店の事だけやって来たのですが、この間マネージャー職に就きました。これからは経営会議にも出席しますので、利益計算などの知識はまさにこれからという感じです。

内藤さん:
ある程度は必要不可欠になって来ると思います。お客様から購入頂いた金額が売上になり、その中から次の仕入れを行い次の売上へと繋げる、ココまでは社員全員が認識している所です。店長・バイヤー職になれば商品在庫量や商品原価率、さらに利益率まで意識して業務にあたっています。会社経営=仕入れ管理・利益管理になってくると思います。

須藤さん:
私は自分のお店の他、もう2店舗みさせて頂いているので、店長達には同じように数字を意識するように話してます。販売代行なので直営店と比べると出来ることは限られてくるのですが、効率的な売場作りやメーカー本部との戦略的なやり取りはその都度やるように心がけています。会社経営の知識までとは言わなくても売上管理の意識は大切ですね。

—– ネット販売と店頭販売の違いは何ですか?

相澤さん:
店頭販売だとお顔を見ながら商品が提案できたり、ニーズにあった商品をより細かくお聞きし販売に結び付けることが出来ます。ネット販売の良い所はより早く最新のアイテムがチェック出来たり、必要であれば即購入も出来ることだと思います。しかしその結果、「商品の詳細が知りたい」や「サイズ感は実際の商品で確かめたい」などのニーズも増え、実際に店頭へ足を運ばれるお客様は増えて来ています。

須藤さん:
私のお店は本皮のバッグやアクセサリーが多いので、ネットの画像だと細部の作りや素材の質感までは解りずらいと思います。そういう所は店頭でお客様に持って頂いたり、詳細を説明させて頂いて不安解消をさせて頂いております。もちろんネット販売もあるのですが、”現物”を確認したいお客様が多い当店は店頭販売の方が有利かもしれませんね。

内藤さん:
店頭販売の価値は「買い物に足を運んだ」や「あの気になってたお店に行って見た」などの実体験でしか得られない付加価値だと思います。そのお店に行くまでの時間や、その商品見つけるまでの思いなどその一つ一つが購入後の満足感に繋がっているのではないでしょうか?逆にネット販売は「日常にゆっくりとした時間が取れない」や「急ぎで○○が必要」などの現代的なニーズにはマッチしていると思います。

—– 結婚・出産をしても働けますか?またキャリアアップは出来ますか??

(全員):
全く問題なく働けます。待遇に関しても変わりませんし、産休・育休もしっかり取得できます。

相澤さん:
ライフスタイルが変化しても、こんなにも今まで通り働けるのは、タシケントだけじゃないでしょうか。

皆川さん:
育休後パートで復帰したのですが、子育ても落ち着いてきたタイミングで正社員にして頂きました。この辺りの事情は個々によって違うと思いますが、まったく問題なく会社と相談することが出来ます。

—– アパレル業界はこれからどうなって行くと思いますか?

皆川さん:
アパレル業は今後も無くならないと思います。時代が急変して大変な中ではありますが、お客様は洋服を買う事を楽しんでくださっています。私たち販売員もお客様に対して、どこまでより良い提案ができるのかを常に意識していれば、お客様にも気持ちは届くと思いますし、将来性も明るいのではないかと思います。

内藤さん:
私はバイヤー目線でお答えしますが、アパレル業界自体はさらに進化したサービスを提供できる業態に変化していくと思います。時代はかなりのスピードで変わって来てますが、今も昔も洋服を買うお客様が減っている訳ではありません。むしろ「何を買うか?」「どこで買うか??」「誰から買うか???」の選択肢が増え、以前よりも選び抜いて商品を購入なさっていると思います。その中で私たちは「いかにしてお客様にお店へ来てもらう」かを考え、選んで頂ける環境を作って行く事が、その先の新たなサービスを創造して行く事に繋がると思います。

相澤さん:
最近はアパレル業界を駆け巡る衝撃的なニュースや、お客様のニーズの変化など、店頭で販売していても正直(売上が)厳しいなと思う事もあります。ですがお客様をお迎えしたい、という気持ちは全く変わりません。これからのアパレルはお店創りにストーリー性を持たせたり、より楽しんで頂けるような仕掛けを考えたりする事でまだまだ盛り上がって行くと思います。私はアパレル業が悪い方向に進んで行くんじゃないか?という不安はありません。

伊丹さん:
ネット販売の需要が大きくなるにつれて、店頭スタッフの意識が負けそうになっているのは事実です。ですが、便利なだけのハイテクな力に、自分たちが負けてる訳では有りません。むしろ対面販売だからこそ生まれるニーズに答えることは店頭販売にしか出来ない事です。その為に自分の価値や知識を高めていく努力を惜しまなければ、可能性の有る業界だと思います。

須藤さん:
人と合う・約束事・目的などに合わせて洋服を選ぶというのは、誰しもが経験がある所だと思います。そういうニーズが無くならない限りアパレル業が衰退していくというのは無いんじゃないかと思います。

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